抗がん剤などの薬の副作用による脱毛
抜け毛の原因の一つに、特定の薬の副作用があります。これを、「薬剤性脱毛症」と言います。
脱毛を引き起こす薬とは?
薬の副作用で脱毛というと、抗がん剤を思い浮かべる方も多いかと思います。
抗がん剤は、がん細胞を攻撃する薬ですが、がん細胞と同じような特徴(分裂・増殖の速度が速い)を持つ正常細胞も一緒に攻撃してしまいます。
発毛をつかさどる毛母細胞もそのような細胞の1つですので、脱毛が引き起こされるわけです。
個人差はありますが、抗がん剤投与1〜2週間で脱毛が始まり、1〜2ヶ月後には脱毛が目立つようになります。
現在のところ抗がん剤による脱毛を防ぐ手立てはありません。
逆に、脱毛は抗がん剤がよく働いているという証拠として肯定的に捉えたほうが良さそうです。
その他にも、いろいろな薬の使用で脱毛が起こるケースがあります。
たとえば、インターフェロン剤、副腎皮質ホルモン剤、抗ウイルス剤、男性ホルモン剤、高脂血症用剤、免疫抑制剤、ビタミンA製剤、抗てんかん剤、消炎鎮痛剤、抗リウマチ剤、抗パーキンソン剤、などが挙げられます。
薬の副作用による脱毛の特徴
髪の毛母細胞は最も薬の影響を受けやすい器官ですので、薬剤の影響は顕著に出ることになります。
そのため、こうした薬の使用中には、脱毛の症状が起こることがありますが、投与をやめると脱毛も徐々に改善されます。
もちろん、薬の種類によっても、また個人個人の体質によっても、脱毛の程度や種類は異なります。
また、薬の性質によって脱毛が早く現れたり、遅く現れることもあります。投薬中に発毛を促進することはできません。
抗がん剤の場合、成長期の髪の毛が抜けてしまう脱毛ですが、抗がん剤以外の多くの薬剤は休止期脱毛の原因となります。
また抗がん剤の投与が長期間続くと、毛根の機能が失われ、再び発毛することが難しくなる場合もあります。
かつらやウィッグの使用
脱毛量が多く、見た目にも影響がある場合、気分的にも落ち込み、恥ずかしさから外出したくなくなるかもしれません。
そのような場合、少しでもQOL(生活の質)を改善するために帽子、かつらやウィッグを使用することができます。
これらは脱毛を止める効果はありませんが、患者さんを精神的にサポートする助けとなります。
今では、不自然に見えないウィッグが比較的安価で手に入ります。
「医療用ウィッグ」とインターネットで検索するとたくさん情報が出てきます。
医療用ウィッグは「JIS S 9623」という規格があり、このJIS規格に適合した製品を選ぶことが勧められます。
病院を通してNPO法人、専門業者などの紹介を受けられますし、ウィッグはレンタル、または購入することができます。
髪のことを気にせずに人前に出られるということは、精神的にも大きなメリットがありますので、ぜひ活用しましょう。
治療後のケアについて
薬や放射線による治療が終了した後、個人差がありますが髪の毛が再び生えてくるまで半年ほどかかります。
治療終了後の脱毛改善には何が必要でしょうか?
それは正しい栄養をきちんと取ることです。必要な栄養素の補充を行う食事療法はとても大切です。
食事に気を付けて、必要な栄養素をきちんと摂っていけば、ほとんどの場合は自然と以前のような髪に戻ります。
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